成長期のお子さんも気にするダイエットと腸内細菌の関係

1. 成長期のあなたも気になるダイエットに大きく関わる腸内細菌

女の子を中心に成長期であってもダイエットのことを考えているお子さんも多いことでしょう。そんなダイエットとの関係を最近になって特に言われだしたのが腸内細菌です。極端な意見を言う人の中には腸内細菌次第で太るor痩せるが決まる、なんていう声も。成長期のお子さんも見逃せないダイエットと成長期の関係を紹介していきましょう。

1-1. 腸内細菌の研究から見えてきたダイエットとの関係について

ダイエットしている人なら成長期であるかとかは関係なく、どうして自分はこんなに気にしているのに太っていて、何も考えずに好きなだけ食べているあの人はあんなに痩せているのだろう、と考えることがあることでしょう。こうした違いは一体なぜ生まれてくるのか?そんな疑問の答えを見つけるヒントになるのが最近の腸内細菌に関する研究成果です。成長期のお子さんもダイエットには腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)が関与している、といことをまずは理解しましょう。

腸内細菌とダイエットの関係に着目さえるようになったきっかけはアメリカのワシントン大学の研究グループが世界トップレベルの科学誌「ネイチャー」に発表した研究成果です。ゴードン博士たちの研究グループはこの中で細菌が全く存在しない無菌マウスを使い、肥満マウスまたは健常マウスの腸内細菌叢を移植してその後の経過を比較しました。すると、肥満マウスの腸内細菌叢を移植されたグループの体細胞が増加したのに対して、健常マウスのものを移植したグループでは体細胞の増加は見られませんでした。

この結果から腸内細菌叢のバランス(細菌の構成比率)によって太りやすい・太りにくいといった違いが起こることが示唆されました。肥満マウスについてさらに詳しく見ていくと、腸内にファーミキューテス門に属する細菌の数が多く、バクテロイデーテス門に属する細菌の数が少ないという特徴が見られました。このことからこれらの門に属する細菌の数の比率によって肥満になりやすい・なりにくいといった違いが出てくる可能性があると考えらえました。

メカニズムとしてはこのように考えられました。ファーミキューテス門の細菌の数が増えるとより多くの食べ物が分解されます。本来であれば、分解されずにそのまま排出する食べ物まで分解・吸収することにより、より多くのエネルギーを体内に取り込むことになり、肥満につながるというわけです。腸内細菌叢のバランスによっては成長期のお子さんのダイエットも思うようには進まないかもしれませんね。

最後に

ファーミキューテス門の細菌の効果は食べ物が不十分だった時代には効率よく限られた食料のエネルギーを取り込むためには重要でした。それが、飽食の時代を向かえてネガティブに働くようになったというのも色々と考えさせられますね。

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